舳倉島の危機
(平成20年)

上村彌壽男

和島沖60キロ、日本海に浮かぶ舳倉島の友人が昨年、私達の防衛団体が、海上自衛隊、自衛官が金沢港寄港の折、懇談する機会を持つ事を知り、私に言付けた伝言は「舳倉島を竹島の二の舞にせぬ様、lくれぐれも頼む」であった。
実効支配の名のもと、竹島は既に韓国の手中に在り、「解決せざるを以て解決」という竹島密約が存在するとも言われ切歯扼腕すれど如何ともしがたいのである。
次は長崎県の対馬が狙われている。ここには海上自衛隊の対馬防衛隊本部(竹敷4−191)が置かれており、上対馬警備所は大浦に、下対馬警備所は安神にあるが一門の砲もないという。
更にこれら基地周辺の土地は驚くべきことに全て韓国資本によって買い占められているというのである。そして韓国馬山市は対岸から6月19日を「対馬の日」と定め、市議会は対馬は元来韓国領として「返還決議案」を上程する予定という。
またもや我が国の領土が奪取されようとしている。
これらについて政府の対応はどうなっているのか、国民は全く知らされていない。
このような中にあって、輪島の舳倉島の住民が憂慮しているのは、この国の防衛にすべて腰が引けているから当然である。離島の国土を護る確固たる国家の意思が見えてこないのは残念である。
我が国の総理をはじめとする政治家と外交官にその危機感を問いかけるものである。
だが一方この様な政治家を生んだのは、「外交、安全保障は票にならない」という衆愚政治の悪弊をつくったマスコミにもその責任がある。
私達は対馬はもちろん、舳倉を含む全ての島々の領土を真剣に守る毅然とした防衛の信念を知りたいものである。
ロンドンから1万キロも離れたフォークランド島を守り抜いた鉄の首相を見習えと叫びたい。

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