万難を排し皇統守るべし
(平成18年)
上村電建椛纒\取締役会長
上村彌壽男
「元旦や一系の天子富士の山」と俳人内藤鳴雪が、天下に唯一つしかないもの、そして尊いものを選んだ名句である。
いまその万世一系の皇統が危機に瀕している一大事とも言うべき。昨年11月「皇室典範に関する有識者会議」はその最終報告を以て、いとも簡単に女系による女性天皇の容認を決めて答申した。
僅か一年、30時間の議論によって拙速も甚だしく、初めにこれありきのもと、皇族、宮内庁を横に置き独走したのである。
これまで歴史上8年の女性天皇が在位されたのであるが、何れも男系男性天皇の中継ぎであり、すべて独身と未亡人であり、女系天皇とは全く異なる。戦後GHQが行った皇室典範の改定より、さらに一歩踏み込んだ聖域に易々と傲慢にも立ち入ったのである。
敗戦を機にGHQは新憲法を以て日本人の精神の核を取り除き、民族をバラバラにして二度と立ち上がることが出来ないように仕掛けた。更に新民法で日本の家族制度を粉砕し、親子の絆を切断し、一家の心を四散させたのである。
即ち日本の美風である家長を中心とした制度を自由と平等の名に於いて民法は親子、兄弟に骨肉の争いを演じさせている。戦後60年この呪縛から逃れることが出来ず、いくら負けたとはいえ、アメリカの思う壺に嵌り、彼等はきっと喝采していることであろう。
さて皇室典範改訂について、戦後昭和22年(1947年)巧妙にも民主的手続き、即ち国会が手を付けたことを持ち出し、以来今回の改訂にもGHQの再燃とまで考えられ、行きつく所は、天皇制廃止まで持って行こうとする一派の思惑にまんまと嵌められたことである。
「時代の流れ」とか「世論の賛同が得られない」との逆説を展開するのが彼らの常套手段である。
今ここで敬宮愛子内親王の帝王学、さらにその配偶者の資格まで話題に乗せることは皇太子の御即位前の不謹慎極まりないことではないか。更には次なる皇后への御配慮に加えて健康回復の条件までが囁かれるのは何としたことか。即ち
『将来配偶者の国際的人物の選択までゆくとなると皇室の血の行末を案ずれば背筋が寒くなる』と。
これが本当の識者の正論である。
私たちは11月30日東京で行われた「皇室典範を考える会の決起大会」を支持し、国会における「新皇室典範の成立」を何としてでも阻止しなければならない。
時恰も建国記念日2月11日を前に、我が国の皇紀は2666年、歴史は皇室と共にあり、諸外国に誇る万世一系の皇統である。パソコンの2006年はキリストの生誕よりの単なる数え年。
再度日本国民と若者にそのことをしっかり教えるところから始めねばならないと思う。