申年に寄せて
(平成16年)

谷  渡

テレビ等で猿をはじめ諸々の動物たちの自然の中での生態を見ていると、雌の微笑ましい子育ての姿や、雄の外敵との闘いや、雌獲得のための雄同士の烈しい格闘等、彼等が生まれながら持っている天与の「種保存」の本能や、優勝劣敗の動物界のきびしい掟等を窺い知ることができる。我々人間世界も全く同じ摂理であると思考する。
平和の美名のもと、戦争や交戦権の放棄は我々日本人が生まれながら具備した、天与の本能まで封印してしまったことになる。
平成7年オウム真理教が起こした、地下鉄サリン事件を、これは「日本人の封印されたエロスの逆襲である」と当時北國新聞の時鐘欄で極限した学者がいた。胸に刺さったこの言葉を私は今日まで九年間温めてきた。
最近上野動物園の檻で飼育したチンパンジーが子供を作ろうとしない、また岡山では動物園で産まれた鶴も同じことになり、自然の中へ放ってもなかなか元に戻ろうとしないと言うことであった。
自分の国を守る必要もなく、中には親からの仕送りに依存して生活している今日の日本の若者たちは、正に檻の中で飼われるチンパンジーと同格だ。加えて人殺しは平気でやる。その他凶悪犯をやらかす等々性が悪い。可愛い我が子に飯を十分与えないで平気で殺す女性も同類で、何れも封印されたエロスの逆襲でなかろうかと憂うるものである。
容貌も、腹ができてないから、何処となく間が抜けていて、きりりと締った男らしいのにお目にかかることが殆どない。又いい相手を見つけて結婚しようともしない。隣の韓国や中国の若者たちは徴兵で鍛えられるせいか男らしい若者が多いようであるが、これは私独りの偏見ではなかろうと思う。女性の方も国を護ることもしない男には魅力がないのか?外国人との結婚を好むようである。このまま行けば、大和民族は滅びるか、何処かの国の一州に成り下がってしまうことを憂うる次第である。
「日本人よ、平和憲法なる檻からの脱出を果たし、速やかに自然に返れ。」
「国民皆兵こそ神の声!祖国を救う唯一の道である。団結、この国とその緑を護るのだ。」
申年の今年、自然の動物たちが教えて呉れた「国民皆兵」の道こそ神の声であることを確信し、右提わせんとするものである。
最後に

初しぐれ 猿も小みのを ほしげなり

天に従うものを道と謂い、道に従うのを自然と謂う 芭蕉

動物の猿も人間と同格視し、自然に従うことが天命に従うことであると観破された。俳聖芭蕉翁の言葉を熟読玩味し、自主憲法の制定に向けて、大同団結し、世論の喚起を図り、代議士は政治生命を懸けて、勇往邁進されることを心から切望する。

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