戦後民主主義は野蛮への道
―国柄がわからぬ親米知識人―
(平成17年)

日本をまもる会会長、大東亜青年塾塾長

中田 清康

はじめに

「みよソロモンの栄耀も野の白百合に如からずを―」旧制八高寮歌の一節である。自然は人知の及ばざるところを言う。人類文化も長い歴史・栄枯盛衰の試練を経て耐え培われて来たそれぞれの国、民族特有の白百合であり、子孫を思う祖先の英知の結晶である。中でも日本文化の高貴尊厳は万世一系の天皇の天皇に見る如く万国に類いなき金剛石と言うべき存在である。

天の信念な意思により素晴らしい日本文化が開花し天皇を中心とする君民一体の國柄は悠久の風雪に耐え、近現代は有色の星として世界史に輝く使命を遂行した。しかし名誉ある大東亜戦争にも拘らず戦後浅はかな自国冒涜、自虐の唯物主義者及び外国の謀略により、悲しい哉、白百合が見るも無残な姿になり果てている。

連日の報道に見る非道な諸事件に暗澹たる思いに駆られるのはひとり私のみでなかろう。少なくとも戦前を知る日本人なら時流便乗者やひねくれ者を除けば、悲憤慷慨ここまでおちぶれた国の姿は誠に口惜しい想いに沈む。誰が何がこのような日本にしたのか次に触れる。

最大の公害は心の汚染

私は約30年前環境公害研究センターを創業しこれを生業として現在に至っている。きれいな水、澄んだ空気や汚染されない食物、美しい景観、また騒音・振動などで快適な住まいを侵されないことはすべて重要な環境問題である。しかしこれらはすべて人体の五感に訴え、危機により測定分析が出来る物質的環境である。これら物的環境がわずかなP.P.M(百万分の一)単位で騒がれるのに反し最も大切なことが忘れ去られている。否この国を壊すために占領軍から与へられた憲法や、亡国又は某国人たちにより言論・出版・報道・教育等あらゆる分野で心の正常化、浄化の主張が妨害されている状態である。

半世紀以上続いているこの占領憲法の下で表現の自由が保障され、国家・国柄をこわす暴論や不道徳の氾濫がまかり通る。この報道・出版・教育が長年続く状況で人心は荒廃し心理が影をひそめその天譴として、諸犯罪激増の亡国現象が現状である。

しかもこれを制すべき政府・政治家の愛国心喪失は、反日謀略に加担までしている状況である。首相をはじめ国を代表する政治家の近隣国へのペコペコ謝罪反省、今は消えたかに見えるが靖国別施設、夫婦別姓論議。これらを推進し日本崩壊を目指す底辺を同じくする謀略により、男女共同参画社会基本法の成立が気狂いの思想ジェンダーフリーなどの温床ともなる家庭破壊から国家崩壊に至らしめるための悪法であるにもかかわらず、不勉強でその認識もなくさしたる論議もせず成立させ、これに各省庁に亘り八兆円を超える予算を付けている。国家破壊促進のために莫大な血税を使っていることがどうしてわからないのか、バカにされ去勢されてしまった国民はともかく、国を憂ふる真の日本人の我慢も限界に近い事を売国政治家はよく知るべきである。

この状態を克服するために努力する我々の浄化作用も、政府まで加担する川上で流す青酸カリ以上の精神汚染洪水は過負荷どころではない。かくして日本の精神崩壊の侵攻は益々止まる所を知らない。

私が今感じている精神公害汚染の最たるものは、国柄の破壊であり又伝統破壊に起因する男女性道徳理論の混乱である。公社による家庭破壊離婚の激増は、あらゆる不幸の根源をなしている。

諸報道をかいつまんでみても離婚、連れ子再婚などによる両親の愛情に恵まれぬ子女の犯罪を誰が責めることができよう。又身勝手な現在の親たちも戦後の唯物社会に育ち精神を奪はれた被害者といへよう。

戦後民主主義こそ野蛮への逆行であることは日々の事件が証明している。一日も早く真実の日本へ戻らねばならない。

恥ずべし ― 事大主義

私は日本文化の崩壊、アメリカ化が精神公害の因と考える。即ち戦後民主主義を至高とすることこそ重大な誤りである。アメリカが日本に強制した数々の弱体化謀略こそ凶悪な一大文化テロであった。

神道指令から教育勅語廃止、亡国憲法を与へ、東京リンチ裁判の七殉難士処刑を皇太子(現天皇)の御誕生日に執行、報道・出版・教育への徹底的干渉等々高貴な日本精神を抹殺するため許すべからざる数多くの文化破壊のテロをなした。

既に戦争継続の意志なきをソ連への仲裁依頼で知りながら、都市無差別爆撃と原爆投下の残忍非道により短期間に百万人殺害の一大ホロコーストを実施した。

米西戦争以来大東亜戦争を含め一世紀に及ぶ米国の悪逆なる無道はソ連の赤色侵略と共に非道の双璧である。歴史浅き米国が身勝手な征服欲から「民主主義と自由を与へる」などの誤れるスローガンを掲げ、貴重な他の文化を抹殺する。自ら数千発の原爆と軍備を以て諸国を脅かし、思い通りにせんとすることが正しいといへるのか。

民主主義至尊至高・日本人の魂を失った親米保守派このアメリカに従うことがテロ撲滅と自由と民主主義のためであり、自国の安泰と国益であるという。

本年9月18日の産経抄で石井英夫氏は戦争に大義や正義は要らない。互いに言い分があると言った。大東亜戦争でもそうだと言うことである。産経は真実を貫く立派な保守新聞と考えて居る方々に告げておきたい。これまで私は折に触れ名勝を大東亜戦争に統一してほしい申し入れて来たが、未だに太平洋戦争と書いていることをどう思はれるだろうか。昨年スペインとイタリア兵士がイラクで犠牲の際、石井は両国首脳の言をほめ讃えていたが、私はバカバカしく「どちらがテロリストか」を書いた。

アメリカの行動は明らかに侵略であり、弱い者いじめ以外の何物でもない。何が民主主義であり自由を与へるだ。いいかげんにたわごとをやめてくれ。

何万人を殺傷、建造物を破壊して復興、人道支援というが壊して殺し、傷つけ何が人道だ。無法な侵略をやめさせることこそ人道ではないのか。隣家の親父が気に食わぬとその家を叩き壊して侵入し親父を殺し家人を傷つけて薬を与え、家を直してやることが人道とは聞いて呆れ返る。

テロはすべてが絶対悪でない

私はテロはアメリカの不正と横暴に対する命がけの抵抗活動と考えて居る。何が何でもテロは絶対悪であるとすることは出来ない。我国はアメリカ占領軍に対しイラクの如き抵抗もせずこの様に民族精神を抜かれて情けない国となった。この現状を本来の姿にとり戻すことが如何に困難であるか。

千三百年以上昔我国の大化の改新は中大兄皇子と中臣鎌足が横暴な蘇我入鹿を殺害する宮中テロにより達成した。歴史はこれを讃えている。ビンラディンも又アメリカの横暴を糺す天意の存在であったといはれる時が来るであろう。

テロはすべてが絶対悪ではなく巨悪に対し必要な正義のときもあるのだ。私自身、祖国・大東亜戦争ん御英霊を冒涜する政治家に対しテロの衝動に駆られることさえある。

繰り返すようであるが現在日本人の認識の根本的誤りとテロの根元に対する私見を述べたい。はじめに結論を申し上げればテロはアメリカ(裏にユダヤ数千年の策謀を見る)の世界征服野望に対するイスラムの抵抗運動に外ならない。
アメリカの野望は軍備を見れば一目瞭然ではないか。

軍備は自国の防衛か他国への侵略のためであるかのいづれかである。現在アメリカはその近隣諸国を見ても他国からの侵略を受ける心配など毛頭ない一番安全な国である。それがどうして原爆をはじめ世界最大の武力を持たねばならぬのか。
これが世界征服・侵略野望の証明ではないか。

英、仏、蘭、露、独等に続く後進の侵略国としてグアム、ハワイ、フィリピンから支那大陸侵略の妨害となる日本を潰し朝鮮、ベトナム、イラン、イラク、クウェート、又イラクと次々介入し続け又世界中に軍を駐留させている。何のためだ。

一国で世界を牛耳る野望でなくて何であろうか。現在、テロはこの民主自由という侵略の野望を力で排除するすべがない歴史あるイスラム文化の危機として発生しているのではないか、単なる暴力ではない、彼等の文明に対する包機に抗するための命がけの戦いではないのか。

日本文化と国柄がアメリカによって徹底的に壊され伝統文化崩壊の結果、人間社会と思えぬ情けない諸犯罪・事件の頻発を見てこの国をここまでこわした主権在民なる謀略制度への反省も憎しみもなく、施した国の属国の如くなり下がって下僕となり侵略に加担する姿はよくも日本がここまで腑抜けにされくされきったか。口惜しい思いを通り越している。

むすび

我が国柄、肇国の理想は八紘為宇、世界を一家の如くその分に応じすべての国の平和を築くことにあった。この理念は大東亜戦争は武力で敗れたりといへ白色人種の桎梏に呻吟するアジア、アフリカ諸民族解放の原動力となり全世界に黎明をもたらした。

しかし今その崇高な使命を放棄し、世界征服の夢を捨てぬ米英に加担して侵略の走狗になり下がり、国柄を忘れるまでに洗脳されてしまっている。白百合の如き尊い価値を消滅させた邪悪な民主主義と自由を正義の徒国かくまで日本本来の姿を滅した米国を崇めたたえる誠に情けない家来の姿である。

日露戦争から大東亜戦争と有色自主のチャンピオンとして白色人種と戦い続けた我等の父祖に泥を塗るイラクへの侵略加担を真正日本人は絶対許すことができない。一世紀前明治の父祖は強気になびく朝鮮の時代主義を最も軽蔑した。そして東洋の一小島国が当時世界一位の軍国ロシヤに挑み勝利し、世界を驚かせた。この戦勝をイギリスのHGウェルズはヨーロッパ傲慢の終焉と述べた。又孫文は日本の奮起こそアジアすべての国家、民族から無限の希望を寄せられるところとなった。これに励まされてイラン、トルコ、アフガニスタン、インド等と次々独立運動が起こったと述べている。

田久保忠衛、小森義久、石井英夫などなど親米主義者はアメリカ一辺倒尊い国柄の認識もなく日本を根底から壊した残忍米国への怒りもない。戦中派の身に沁みた真実の生の歴史も聞く耳も持たず、ただただアメリカ様に心酔することが彼等の考える国益であり正義である。イラク侵略に反対すれば反米であり単なる反戦平和の徒と言う。どの様にアメリカが悪をなしても家来になり従いたいなら日本人をやめアメリカ人になればどうだ。
我々は誇りある日本人!武士は喰わねど高楊枝!

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