偏向報道が国を滅す
―マスコミよ祖國へ帰れ―
(平成18年)

日本をまもる会会長、大東亜青年塾塾長

中田 清康

はじめに


連日発生する諸犯罪を見れば、あの素晴らしかった祖国がよくもこの様に落ちぶれ醜態を曝しているか、やり切れぬ思いの毎日である。かつて敬仰あくなき東洋の君子国の気高い姿を知る戦前、戦中派の痛憤は計り知れぬものがある。

その素晴らしい時代を知らぬ者達が、時流便乗の後知恵で先人の血潮にじむ国を思う赤誠の歴史を嘲笑い、批判・中傷する輩が多いが誠に僭越至極ひっぱたいてやりたい衝動にかられる。例を挙げれば、もう5・6年前も前NHKテレビで半藤一利が関東軍は満洲で居留民を見捨てたと年寄り面をして当時軍隊も知らぬ奴が言っていた。こんな者を出して日本軍を罪悪軍にするのがNHKの常とう手段である。今やわが国はこのひっぱたかれるべき者共がのさばり世の乱れが益々ひどく亡国へと突き進んでいる。国を滅ぼすことに努力した村山が最高位の勲章を受けた。

まさに日本を殺すことが誉められたのである。 嗚呼、人栄え国滅ぶ!

さてこの国殺しの元凶は誰であろうか、これこそ大東亜戦争の真の戦犯である中共と米国であり、その謀略にやられて手先となっている日本人売国奴である。また戦中派でありながら時流に迎合し栄利栄達の利己主義者、中曽根、宮沢、瀬島などである。またこの国殺しを進めて来た最も罪深いものこそ、騙された認識によって作られているマスコミである。

かつてレーニンは、新聞社一社は数個師団の兵力に匹敵すると述べている。ならば、日本は現在恐るべき数の敵に占領されているのである。

九牛の一毛と言えるが一例を挙げよう。
平成8年千数百名を集めて金沢市観光会館で憂国大講演会を開いたが、翌日地元紙の長官は一行の記事にもせぬどころか第一面に54年前のシンガポール攻略戦において日本軍が華僑を5000人虐殺したと書いた日記が英国で発見されたと徳大活字の見出しで『過去を忘れるな』と出ていた。これくらい日本を悪くしたい者が書く報道が戦後延々と半世紀続いた。亡国の現状はむべなるかなであろう。

この講演会は日・韓・台三ヶ国人国際大講演会として街頭にポスターを貼り、立て看板を立てNHKはじめ報道各社に知らせたが全て取材もせず無視された。
その無視より以上のあまりにも落差の甚だしい記事を大々的に出した前記H新聞の一例を挙げたのである。現在も全ての報道は大同小異、真剣に日本を再生しようとするものは一つとして見当たらない。

保守論調で牙城の如く自負している産経や世界日報も日本を劣化した米国への迎合姿勢であり、決して自主独立・真日本への回帰などとは程遠い。大東亜戦争名を使わず、太平洋戦争を使い、支那事変を日中15年戦争と呼ぶ様にGHQの日本弱体化政策の呼称をいまだに使っている。これでどうして真実の歴史を語れるのか。また日本の再生ができるか。

日本人100万人を無差別爆撃と原爆で虐殺、教育勅語・家族制度をはじめ尊い伝統文化を無惨に壊し2度と米国に手向かわせぬ弱体化のため徹底的に日本精神を破壊した元凶は米国であり、占領下に与えられた占領法規というべき属国化憲法を未だに使っているその米国化が健全な国家意識喪失と個人主義を蔓延せしめた結果が現状の残忍非道諸犯罪激増の温床となっている。

新聞も政党も保守と称するならこの様な批判をなして日本回帰を主張したらどうであろうか。日本劣化のため徹底的な文化テロを施した米国を、世界を護り、テロを根絶する救世主の如く言いその国の走狗に成り下がっていることが分かっていない。


8.15首相の謝罪・反省談話を斬れ


日本は人類のため肇国の理想、国是というべき八紘為宇の精神を米国に教え米国化の誤りを糺し世界平和の旗手となるべきが本来あるべき使命である。無法非道の復讐東京裁判の批判もせず、近隣諸国から感謝されるべき真実を伝えず、毎年8月15日に行う首相の謝罪、反省談話は間違っていると社説などで指摘する新聞・テレビがない。これでどうして誇りある国が生まれよう。

明治以降父祖兄弟は、世界中特に中韓から感謝されるべき偉大な業績を限りなく残している。マスコミはペコペコばかりする間違いを糺し、自ら過去の誤りを恥じ、それに倍する真実を伝えねばならない。
その偏向が如何に日本を誤らせてきたか、これを糺さねば真の日本再生はないことを「はじめに」に述べた。その間違いを正常にするため私共のこれまで行った憂国の行動を、偏向報道は一切取り上げなかった。

実例を数多い中から2、3述べてみたい。

謝罪反省を村山亡国首相が騒いだ終戦50年の年、私はある雑誌の冒頭に次の如く述べている。
『長い長い間、今も変わりはないが、私は新聞を見るのが恐ろしくいやであった。それは日本を壊し、落とし入れるための故意、または思慮のない記事、あるいは日本の心が失われ次々起きる多くの忌まわしい事件を目にする事がたまらなく不快だったからだ。多くの誇りある真実を載せず日本を悪くするため、悪い事が一つでもあれば、鬼の首でも取った様に載せることは何ものか目に見えぬ巨大な謀略によってなされているとしか考えようがない。』

同じく終戦50年の謝罪・反省反対行事と、街頭で「マスコミの偏向を衝く」と題したチラシを大量頒布した所、行事に来場した某新聞の幹部から強い抗議を受けた。頒布チラシの内容は、少し長いが大要次のようである。

『細川侵略発言、また村山の陰謀による6月9日の国会決議次いで8月15日祖国を冒涜する歴史無知の謝罪反省談話、これまでも正しい事を言う大臣を罷免に追込み、無法歪曲東京裁判史観を正当化、中韓と連動する教科書問題等々における慣習化した意図的マスコミの蠢動、これ等に常に付きまとう侵略戦争・植民地支配・南京大虐殺・慰安婦強制連行・石井部隊等々日本軍を悪魔の軍としてアジア近隣諸国へ大迷惑をかけた如く宣伝する売国・偏向マスコミはありもせぬ作り事までして日本悪を繰り返している。
一体どこのどいつがこの様に執念深くいつまでも日本の悪い事ばかり作りだし尾ひれをつけてまで繰り返させ日本を悪くするのか。これこそ国を壊すために自分の国を憎悪させ、呪わせる陰謀としか考えられない。我々は長い間我慢に我慢を重ね、この亡国新聞やテレビを見て来たがもう我慢も限界だ。マスコミは祖国を破壊する敵の手先だ。
日本軍の悪い事ばかり繰り返すが数限りなくある良い事を何一報じたことがない。良い事を言えば戦争美化と押さえつけ、ウソまで作って日本を陥れて来た悪辣な偏向マスコミをどうして許すことができようか。白人侵略で抑圧された諸民族の解放に貢献したわが国の正義の大幹は枝葉末節の作りごとで決して揺らぐものではない。しかし国を滅ぼすための陰謀に乗って悪事のみを白髪三千丈に誇張、自国を冒涜する者達を決して許すことができない。新聞・テレビは日本を壊すためになした悪行を償うため、今後それに倍する祖国の正義を主張せねばならぬ。後世・不偏・不党がマスコミ論調の原則であるが、これまでの現実は全く話にならぬ敵の謀略報道機関に過ぎぬ状態であった。「マスコミよ祖国に帰れ」』
以上である。


GHQ時代の社内規制を破棄せよ


抗議した記者と長く話す時間もなかったが、彼は我々は決して偏向といわれる覚えがない。いつも正しい事を報道している。貴方こそ戦前の偏った考えから抜けられぬ偏向思想の持ち主ではないかと言った。
彼の認識は東京裁判を疑うこともなく日本悪を信じ込まされている当時50代位であったから、ブッシュに小泉が日本はアメリカ軍によって日本軍から解放されたと言ったように心底日本軍がひどい事をした軍隊と思いこんでいるのだから全く救い難い。
このように思い込ませるまでマインドコントロールした憎むべきアメリカだがよくもここまで騙したものと感心もする。

日本人の美徳である和の精神が謀略効果に加乗、憲法の表現の自由を悪用しあらゆる日本破壊を目論んだGHQは、神道指令と不法無道の東京裁判を二本立てとして報道に有無を言わせず規制協力させたのである。
この当時の社内規制が今も続き、日本の正義と善を述べる報道が見当たらない。

これによって家族制度の崩壊、性道徳の紊乱をもたらし、離婚・破婚の激増は人々を不幸にし社会破壊と諸犯罪の温床となっている。また、ありもせぬ軍国主義、戦争への道などと称して尊い伝統の否定まで際限なく、これにより過去日本悪を益々蔓延せしめ、尊く美しい祖国のあらゆる淳風美俗まで完膚なきまで破壊されてきた。
その結果が現状の親子殺し合うことなどが頻発するまでの荒廃となったのである。

日本が殺されたのである。最も大切な祖国殺しこそ親殺し子殺しという天譴となってあらわれているのだ。
日本人の人間的紐帯をかくまで破壊した憎むべき米国唯物主義者による日本精神破壊謀略の結果が現状である。


あるべき日本の真姿を求めて ― 大局観に立つ歴史認識を ―


なぜ「偏向報道が国を滅ぼす」という表題としたか。
NHKをはじめとする全てと言えるマスコミが謀略にやられ、わが国の本来あるべき姿を取り戻すことを妨害、過去の日本を悪とすることを続けているからである。

日本が正しかったと言えば軍国主義、戦争への道などと抹殺し、悪い戦争をした国であると思わせる。
そのためありもせぬ南京大虐殺、慰安婦強制連行などを実際あった様にするため、無かったという言論は伏せてしまう。

これらは正常な国家意識を破す謀略に他ならない。日本の正しい事は全く報道せず、悪のみを誇張することが偏向であり、国殺しである。この偏向から正しきを言う政治家や真に国を思う人達に物を言わせぬ状態が出来る。
「朝鮮で日本は正しい事をした。」「南京大虐殺はなかった。」と発言した政治家が消される。
過去の真実を追求するマスコミの論調は皆無である。わが国が正義であったことを追求することを妨害するため敵の謀略に乗っているマスコミである。占領時代はGHQの強迫強制であったが、今はそのような状態の下でなされた洗脳によって日本悪が染みついた者が書くことになり、また当時強制された社内規制が未だに慣習化している。

私は約半世紀近く前の昭和37年4月、駐日ソ連大使フェドレンコを迎えた「日ソ親善の夕べ」の会場で林立する赤旗の前に警官が1m置きに立ち並ぶ中を「何が親善だ。まず北方領土を返せ」と叫び続ける自動車一人デモを敢行した。この日は大使が金沢駅に到着し、田谷知事と同情した車の直後を追い「北方領土を返せ」と叫び、彼等が県庁へ入った後は一日中市中を駆け回った。先に述べたのは、夕方からの会場のことである。後で友人の警官に聞いたことだが県警本部長が知事にえらく叱責されたとのことであった。

この様な重大な北方要求の憂国行動でもマスコミは「親善の夕べ」を載せても私の行動は一行にもせず黙殺した。片や「沖縄返せ」の記事は連日大きな紙面を割いている。未だに北方領土問題を膠着させている左翼売国謀略の許せぬ犯罪である。

ちなみに満洲における化学兵遺棄問題でもソ連軍が突如侵入した当時の状態を詳しく知る我々関東軍兵士の主張を全く取り上げず、知りもせぬ反日亡国首相村山富市と売国奴河野洋平が処理協定を結ぶなど国家に大損害を与えている。時流に便乗し日本軍の悪口を言う者の言は大きく採り上げ、正しい事を抹殺した。
これを謀略にやられ亡国をもたらす偏向報道というのである。
前述した平成8年3月の三ヶ国人憂国大講演を無視し翌日の朝刊には65年前の実証も出来ぬ事件を第一面に特大活字で扱う様な日本軍を悪くするための報道姿勢は偏向どころではない国殺しの現行犯である。正しい日本をすべて否定し、尊い伝統道徳まで抹殺した。現在亡国への道といわれる少子化も親子殺人事件その他殺伐たる諸事件の頻発は全て本来あるべき日本精神の破壊から来ている。
日本を失わせるための男女共同参画法などの必要でもない悪法を作り、経済問題だけで少子化を解決できると思っていることは大間違いである。これも国家破壊謀略の結果である。

戦前日本の性道徳は人倫社会の根本として美しく守られ、貧しくとも多くの子供を強く正しく育て登校拒否などの馬鹿げた問題は全くなかった。女性を家庭から離れさせる様なことばかりして何が少子化解消だ。
男性同様に社会進出させることが、健全な家庭を作り子供が立派に育つとでも思っているのかバカバカしい。キャリアウーマンが育児を嫌い、ビアホールで気勢をあげ、町を歩けば若い遊び女が目立つ。こんな遊び放題道徳退廃の国を作り正常な家庭環境が育つだろうか。
幸せは経済の先にまず論ずべきは失われた心の問題であることを強調したい。マスコミは国家意識の高揚は右翼の戦争への道ぐらいにしか思っていない。NHKは聖戦大碑建立などすべて無視、反面ありもせぬ従軍慰安婦や南京大虐殺のインチキ証人が一人でも来れば、集会の事前報道までしている。

終戦50年の年、女性国際戦犯法廷などの茶番劇と言える集会の判決をNHKは即日夜7時のニュースで放送した。大分前であるが、日本の国名をいい加減に変えたらどうかという神奈川大学某教授の話を教育放送でしている。その他数え上げればきりがないくらいの反日放送の資料が私の所へ数多く届いている。このNHKがどうして日本の公共放送といえるのだろうか。日本をまもる会が行っている不払い運動は単なるNHK内部の不祥事に抗議しておこなっている単純なものではない。あまりにも甚だしい祖国への冒涜から発している不払い運動である。

紙数もないので偏向報道実例として多くの行事行動の無視記録については次の機会に譲ることにする。
まず謀略にやられたNHKが目覚めなければ、日本が危ない事を強調して本稿を結ぶが、終りに日本人の心を知るため日露戦争後と大東亜戦争後における戦勝国の思いやりを比較して終りたい。

大東亜戦争後東京裁判で米国は復讐と日本精神劣化のため多くの残忍非道をなしたが、これと比べ日露戦争後旅順要塞攻略戦で子息二人を失うまでの多大な犠牲を払った乃木大将は戦後日本兵士の忠霊塔を作る前にロシア兵士の慰霊碑を建て慰霊祭を厳修しロシア人を感激させた。
降伏した敵将ステッセルの映画撮影を望むアメリカ人技師の要請に対し、乃木が「あとあとまで恥辱が残るような写真を採らせることは日本の武士道が許さない」と断った話は多くの外国人特派員を感動させた。
なおも写真撮影をと食い下がる記者に対し、「我々がすでに友人となって同列に並んだところを一枚だけ許そう」と撮影された写真は日本人の武士道的映像として世界に配信され、各国に強い印象を与えた。また帰国したステッセル将軍が処刑されると聞き、乃木大将はロシア皇帝にその助命を願う手紙を送った。
ステッセルは処刑されずその後農夫として一生を終えている。

私がシベリア抑留中、日露戦争の捕虜となり四国松山収容所に収容されていたことのある農場のデシャートニク(監督)に聞いた話を思い出す。
私の一生で最も楽しかった思い出は四国の松山収容所にいた時であった。日本人は皆親切で私達に労働もさせず、毎日温泉に入り、お米のカーシャ(硬めのお粥)とおいしい魚や肉を食べさせてくれ、帰るときは背広と下着まで2揃いずつくれた。それに比べお前達は可哀相だと涙を流し、作業が終わると毎日腹いっぱい茹カルトーシカ(ジャガイモ)を食べさせてくれたのである。

以上

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