大東亜戦争は何故聖戦か
(平成10年)

日本をまもる会会長、大東亜青年塾塾長
中田 清康

 近代日本は領土を広める為に戦ったことはない。アジアのチャンピオンとして白色人種と戦い、全世界の抑圧された諸民族に光明をもたらした。

 さかのぼれば日露戦争の勝利があり、敗れたりといえど大東亜戦争もそうである。屈辱のもと、あえぐ虐げられたアジアを救う理想は、既に幕末以来我国多くの先覚者達にあったが、好んでそのために戦争準備をしたことはない。

 さて百年前を見よう。

 当時七つの海を支配し、日の没することなき領土を誇った英国は、印度を滅ぼしたあと、支那を襲い、巨利をむさぼるために、印度でつくらせた麻薬阿片を買えと押しつけ、阿片戦争を起こした。力なき支那は連戦連敗、やがては香港を取られた。イギリスは又、オーストラリアで原住民狩りまで行っている。ツァーロシアの領土拡張は、シベリヤを東へ東へ本国から数千粁、カムチャッカ・千島・アラスカ(後、米国に売却)にまで及んだ。

 さて東アジアではこの地域安定のため戦われた日清戦争に敗れた支那は、侵略国の露・独・仏にたのみ三国干渉を行はせ、下関条約で日本に与えた遼東半島を、東亜の安定に害があるとして返させたが、その後同じ遼東半島の旅順・大連をロシアに与え、又その弱さにつけこまれ、生体解剖といわれるくらい列強に領土を蚕食された。

 英国が七つの海を支配し、仏・蘭もこれに続き現在、民主主義・人権の本家の如くふるまっている米国は、メキシコを侵し、ハワイを一夜に強奪し、米・西戦争に勝ち、フィリピンをだましとり、その後住民百万人を殺したといわれる。

 この様に白色人種が世界を制覇して居るとき、しいたげられた国家民族に希望を与えたのが日本であった。当時の支那は前述の如く、この支那を数百年来宗主国と仰ぐ朝鮮の状態はいわずもがなであるが、ここでは何故聖戦かを論じなければならない。

 そもそも森羅万象、天意天命に非ざるはなく、前述、白人の横暴を制し、虐げられた人類解放を実現せしめるため、天はアジアに日本を配した。そして起爆剤として邪悪な共産主義と強欲アメリカがつくられ、これらの挑発謀略から日本は戦争にひき込まれた。

 即ちコミンテルンとアメリカの謀略で、日露戦争により得られた我概益への侵害や、虐殺・暴行・略奪・放火等、日本人への迫害が満州事変を生み、コミンテルンの介在する西安事件では、命と引きかえに抗日戦へ蒋を引きずり込み、又中共謀略の蘆溝橋事件から通州事件等あくなき彼等の挑発により支那事変へ拡大した。

 米英は支那大陸の利権獲得と、日本つぶしの好機として、蒋介石援助を続け、遂に経済封鎖からハル通達となり、平和解決を望む日本を追い込み挑発し、大東亜戦争を発生せしめた。武力では日本が敗れ、米・英・蒋・露が勝利したが、結果を見れば、彼等が敗退している。即ち、米・英は多くの犠牲を払い乍ら、植民地をすべて失い、支那大陸の利権は一場の夢と化し、その赤化を許し、共産国との東西冷戦を生んだのみであった。

 共産主義と組み、白人侵略者の支援を求め、アジアに反逆した蒋介石は台湾に落ちのびて不遇をかこち、極悪ソ連はその後分解自滅した。戦争をおこした元凶共産中国は、チベットその他弱小諸民族の侵略・圧迫を続けているが、いつの日か同じ命運をたどることは必定であろう。日本は現在物質的繁栄を許されているが、戦後の弱体化謀略により、本来あるべき伝統・道徳と精神は荒廃の極に達している。しかしこの敗戦による精神的混沌こそ、日本民族の倣慢化を押さえる天意であり、よりよき状態へ、世界を救う民族精神を昇華向上せしむるための天命に外ならない。

 大東亜戦争はそれによって諸民族が解放されたこと、又前述すべての結果からも破邪顕正の聖戦であった。

 今ことごとに、日本はアジアに被害と苦しみを与えたと、正反対のことをしぶとく言いつのっている中・韓が、虐げられた諸民族の解放にいかなる業績を果たしたであろうか。白人と組み、日本の足をひっぱることのみ多かったのが真実である。日本へ、反省・謝罪し感謝すべき中・韓であることを強調したい。

 繰り返す。天は共産主義とアメリカを使い、挑発させ、戦争を好まぬ日本民族に大東亜戦争を遂行せしめ、諸民族の大解放を実現させた。これこそ天命のしからしむる人類史上最高の聖戦たる所以である。

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