政治を糺せ
(平成20年)

中村 三郎

今日の日本人は、明治はもちろん、昭和20年頃前の日本人とまるで違う別の人種に変質してしまっているように見えるが、その疑うべくもない見本が、政治家と称する選悪集団である。
昔は「選良」と呼ばれた。自ら井戸塀の運命に甘んじ、私を顧みず国事に貢献し、先憂後楽の範を示した立派な大臣や議員が殆どであった。
選挙する国民も洗脳謀略で変わり、それらの選ぶ人気投票の如き衆愚の一票におもねる選挙で、そんな選良が出れるはずがなかろう。
恥を知らず、国体を弁えず、私利私欲オンリーで責任感なし。そのような首相以下愛国心なき議員を数えればキリがないが、とにかく卑しい。
こんなのは昔は最も低級な商売人か胡麻の蠅の類であって、政治とは全く縁のない輩とされた。今日でも、志の高い真実の日本人が政治家の中に幾人か存在するが、それでは大臣や党役員にはなれない。
天下国家はどうでもよい。占領憲法や自虐史観に文句をつけず、国家観念や公共意識は出世の妨げと心得なければ、議員になること自体、難しいのである。
なまじ国の伝統や歴史に愛着を感じたり、占領下奴隷の屈辱を憤ったりして、平和と民主主義の罠から抜け出そうとすると、心ある国民同胞からは歓迎されるけれども、政界マスコミには袋叩きにされる。

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