この卑しき日本人
(平成21年)

鹿児島市二政会会長

中村 三郎

今日の日本人は、明治はもちろん、昭和20年までの日本人ともまるで違う別の人種に変質してしまっているように見えるが、その疑うべくもない見本が、政治家と称する選悪集団である。
昔は「選良」と呼ばれた。自ら井戸塀の運命に甘んじ、私を顧みず国事に献身し、先憂後楽の範を示した立派な大臣や議員が多くいた。
選挙する国民も劣化謀略で変えられたが、立派な選良が果して何人いるか。
恥を知らず、国体を弁えず、私利私欲オンリーで責任感なし。そのような議員の欠陥を数えればキリがないが、とにかく卑しい。
こんなのは昔は最も低級な商売人か胡麻の蠅の類であって、政治とは全く縁のない輩とされた。今日でも、志の高い真実の日本人が政治家の中に幾人か存在することは確かだが、それでは大臣や党役員にはなれない。天下国家はどうでもよい。占領憲法や自虐史観に文句つけず、国家観念や公共意識は出世の妨げと心得なければ、議員になること自体難しいのである。
なまじ国の伝統や歴史に愛着を感じたり、占領下隷属の屈辱を憤ったりして、平和と民主主義の枠から抜け出そうとすると、心ある国民同胞からは歓迎されるけれども、政界マスコミには袋叩きにされる。
これまで、何人の閣僚が独立国家当然の発言をしたために馘首(かくしゅ)されたか。全く落ちぶれたものだ。嗚呼。

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