今こそ青春の詩で突っ走ろう
(平成21年)
平岡 辰夫
昨年の暮れに、生死を共にした無二の戦友、上野治男さんから次のようなハガキを頂いた。
「謹啓、本年も世界不況の内に暮れます。平岡様にはお健やかにお過ごしのことと拝察申し上げます。
長らく御無音にて失礼いたしておりますが、小生もおかげをもちまして元気に青春の額を拝読しております。
お体をお大事に新年を迎えて下さい。」
さて上野さんの青春の額を拝読して居る青春の詩とは何でしょうか。
読者の方は大部分御存知の詩ですが、紹介させて頂きます。
青春
青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、
安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ
恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く「驚異えの愛慕心」空にひらめく星晨、
その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦
小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。
人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる
大地より、神より、人より
美と喜悦、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り
人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし
皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば
この時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。