国難を機に日本の本然を取り戻せ
(平成23年)

針原 崇志

3月11日に発生した東日本大震災では、死者・行方不明者あわせて二万人を超える方々が犠牲となった。そして震災に伴う福島の原発事故や無能なる菅直人民主党政権の対応の遅れも相俟って、今なお復興の目処は立っていない。
しかし、かかる戦後最大の国難に直面して、われら日本国民の民族精神はいっそう輝きを増した。
すなわち、自身が苦しみのさなかにありながらも他人を気遣う思いやりの心、略奪どころか倒壊した商店の商品にさえ手をつけない治安の良さと遵法精神の高さ、混乱に際しても整然と行動する秩序正しさ、そして国民一丸となって国難に立ち向かわんとする団結力、等々。
これらは、他の国民・民族からも称賛され、しかも真似しようにも一朝一夕に真似することのできない、わが日本民族精神の精華である。
大震災では、とてつもなく多大なものを失った。その一方で得るものもあったと信じたい。
この国難を、日本の本然を取り戻すきっかけとしなければならない。そしてそれこそ、多くの方々の犠牲を無にしないための、今に生きる我々の責務であると考える。

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